先日、父親からこんな相談を受けました。
世話になっている担当の銀行員から預金の一部で投資信託を買いませんかとすすめられた
100万円投資して毎月分配金が5,000円近くもらえるらしい
すごいお得だと思うけどどう思う?
私が投資をしていることは知っているのでおいしい話すぎて大丈夫かどうか聞きたかったみたいですが、内容からして絶対いいものではないよな・・・と思いつつ、ファンド名を聞いて、その内容を調べてみました。
すると案の定、ハイリスクで手数料バカ高の一番買ってはいけないタイプの毎月分配型の投資信託だったんですよね(笑)
銀行員が父にすすめた投資信託はこんなものでした
その投資信託は、豪ドルおよびニュージーランド・ドル建ての公社債におもに投資しているものでした。
確かにここ1年は新興国の盛り返しも著しく、オーストラリアやニュージーランドも投資先としては悪くないと思いますが、他の地域と比較して突出していいわけではありませんしリスクも高めですよね。
また、為替の影響も受けるので値動きも複雑です。
さらに、分配金は100万円の投資に対して年間にすると6万円ですので年利にすると6%とかなり高いですが、同じような内容の毎月分配型でない投資信託と比べると分配金を加味してもパフォーマンスが数%低かったのです。
そう考えると、なぜこれを選んだのか。
それは、この投資信託を投資対象として評価しているからではなく、販売手数料が高く、分配金のマジックでお得に感じやすいためすすめやすいからではないかと思うんですよね。
どういった謳い文句で顧客に毎月分配型をすすめているのか
その銀行員の説明では、数年前まで基準額が下がり続けていたが、ここ1年は安定しているため、リスクが少なく分配金が毎月もらえるためお得だと言うのです。
基準額が下がらないからお得??
投資を少しでもかじっている私からすると、株価は上がるべきものです。
その代わりに分配金として還元はされますが、その分運用費も手数料も高くなってしまいますよね?
実際に、同じような内容の商品で毎月分配型でないもののほうがパフォーマンスは高いわけですから。
そして、ここ1年は新興国市場も右肩上がりだったので基準額を保ちつつ分配金を出し続けることができていますが、今後地合いが悪くなれば基準額が下がるだけでなく、分配金が減配される可能性も高いです。
そのあたりのリスクは全く説明しないので、良心的とは言えませんよね。
やっぱり販売員の方はそういった手数料稼ぎのファンドを一番にすすめるんだということが分かりました。
まあそれが仕事なので仕方がないですけどね(*_*)
高齢者に理解できないものをすすめるってどうなんだろう?
私も5,6年前にその分配金の高さに惹かれて買った投資信託がありました。
当時は私もちゃんと理解していないにも関わらず、販売数が1位というだけでいいものだと勘違いして買ってしまったんですよね。
今は毎月分配型はお得ではないということが周知されてきましたが、5年前は売上ランキングの上位は全て毎月分配型で埋め尽くされていました。
ちなみにそれは今でも持っていますが、今でもトータルでマイナスから抜け出せていません(笑)
今でこそいい商品ではないということが分かりますが、当時の私には理解するにはとても難しいものでした。
ましてや投資に疎く、しかも70歳近い高齢者である父に、このような商品をすすめていいのでしょうか?
今もそういった内容が理解できない高齢者に毎月分配型の投資信託が買われているのかと思うと、胸が痛む・・・
高齢者にとって身近な対面販売こそ本当にいい商品をすすめてほしい
今はネットで気軽に投資商品を買える時代になりましたが、利用しているのは比較的若年層になると思います。
60歳以上の方にとっては、やはり対面販売が今でも主流ですし、安心して購入できると思っている方も多いのではないでしょうか?
特に高齢者は知識はなくてもお金は持っているため、そういった販売員のいいカモにされてしまう可能性が高いですよね。
今回の私のケースでは、父親から相談を受けてこういった理由で私は買わないほうがいいと思うと助言し結局断ったみたいですが、周りにそういう存在がいない場合は販売員を信用して購入してしまうでしょう。
また、高齢者にとってはネットではなく対面で相談できる銀行員などがまだまだ身近な存在です。
そのため、手数料を稼ぐことも必要なのは分かりますが、高齢者にはもっと良心的な商品を進めてくれないかなぁと願うばかりです。
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